文藝春秋2024年三月特別号から
AIは落ちこぼれを救う(落合陽一、藤井輝夫、金出武雄)
「知識」や「情報」はAIが処理してしまう時代においては、みずから「課題」を設定する能力が求められますが、国語や算数や理科といった既存の科目別に学んでも、そうした人材は育ちません。
訂正する力(東浩紀著)
もう日本はだめなのでしょうか。ぼくはそうは思いません。ただ、そこで必要になるのは、トップダウンによる派手な改革ではなく、ひとりひとりがそれぞれの現場で現状を少しずつ変えていくような地道な努力だと思います。
同じ自分を維持しながら、昔の過ちを少しずつ正していく。それがオイルということです。老いるとは変化することであり、訂正することなのです。
訂正する力は成熟する力。
大事なのは「余剰の情報」です。友人や仕事仲間との関係において、どこまで「余剰の情報」をつくれるかが鍵となります。
人生は、訂正する力で豊かになります。自分のイメージが他人のなかでたえず訂正され、他人のイメージも自分の中でたえず訂正されていく、そういう柔軟な環境が生きることをとても楽しくしてくれる。
訂正する力とは「考える力」。
みなが「考えないで成功する」ために方法ばかりを求める国は、いつか破滅すると感じてしまった。