久しぶりに元気が出る本でした。ありがたい。
曰く
経営思考に必須の「当事者から一歩引いた目線」「状況を冷静かつ合理的に分析する思考」。
本当の仕事は(広義の)顧客を生み出し顧客を満足に/幸せにして、その対価として顧客が喜んで報酬を支払ってくれるようにすること。
部分最適を志向するあまり、真理追及という全体最適をおろそかにする危険性。
我々は誰しも強みと弱み/得意と不得意を持つ。そして(人類は)「誰かの強みで別の誰かの弱みを補完する」という価値創造のジグソーパズルを解き続けることで、全体として/システムとして、集団がバラバラな個人として生きるより高い能力を発揮できる価値ある状態を創り出した。
現代では、経営ときいて「価値創造を通じて対立を解消しながら人間の共同体を作り上げる知恵と実践」を思い浮かべる人は少数派になった。人生のさまざまな場面において、経営の欠如は、目的と手段の転倒、手段の過大化、手段による目的の阻害・・・など数多くの陥穽(かんせい)をもたらす。その理由は、「あらゆるものは創造できる」という視点を持たないと、単なる手段であるはずのものが希少に思えてしまい、手段に振り回されるからである。日本において本来の経営が急速に失われたのも、平成時代の円高とデフレによって、ただの手段のはずの金銭の価値が高まり、金銭という手段に振り回され、目的であるはずの人間の共同体をなおざりにしたからだ。