ページタイトル 昼のセロトニン,夜のメラトニンを高めるための8か条

対象者: 一般向け

昼のセロトニン,夜のメラトニンを高めるための8か条

 昼のセロトニン,夜のメラトニンを高めることが大事なわけで,8つにまとめました。スライドには「子どもたちの健やかな発育のため」と書いてありますけれども,この8ヶ条は何も子どもたちにだけあてはまるのではなくて,大人にもすべからくあてはまることだというのはみなさんもご承知だろうと思います。ただ,子どもたちは自分で生活習慣をきちんと確立できません。ですから,大人が自分の生活パターンに子どもたちを無理矢理巻き込んで生活習慣を乱す,ここだけはなんとかしてほしいということで子どもたちという枕詞をつけているわけです。
1.毎朝,しっかり朝日を浴びてください,朝日は二重の意味、すなわち大多数のヒトで24時間よりも長い生体時計の周期を短くして地球時間に合わせる役割と、セロトニンの働きを高める役割とがあるので重要なのでした。
2.ごはんはしっかりよく噛んで、特に朝はきちんと食べてください。噛むということは直接のリズミカルな運動でセロトニンを高めるという効果があります。また朝食は英語でブレークファーストです。ファースト(fast)(飢餓)をブレーク(break)する、止めること。飢餓を止めるのが朝食であり、朝食を食べなければ飢餓状態が続くわけです。そんな状態では体とか脳に十分な栄養が行き渡らないのですから、十分な活動ができないのが当然です。朝ごはんの重要性はいくら申し上げても言い過ぎということはないと思います。
3.昼間はたっぷり運動してください。運動は直接にリズミカルな筋肉運動でセロトニンを高めますし,昼間の光が夜のメラトニンを高めるという働きがありました。
4.夜ふかしになるなら昼寝は早めに切り上げて欲しいですし,
5.テレビビデオはけじめをつけて時間を決めて、というのはメディアリテラシーということです。
6.寝る前の入眠儀式を大事にしてください。考えてみれば寝る、というのは非常に無防備で危険きわまりない行為です。ですから寝る前に自分の身の回りの安全を確認してから寝るというのは多分生物学的にも非常に大事なのだと思います。ですから,寝るまでの段取り,入眠儀式を各自確認することが大事だろうと思います。本を読む,音楽を聴く,寝間着に着替える,翌日の準備をする,なんでもいいと思いますけれども,その方にあった入眠儀式、寝るまでの段取りを確立していただきたいと思います。
7.暗い部屋でゆっくり寝てください。夜の光のとんでもなさは3つあります。ひとつは大多数のヒトではただでさえ24時間よりも長くなっている生体時計の周期をさらにに伸ばし、生体時計と地球時間との間のもともとあるズレをさらに大きくしてしまう点、二つにはメラトニンの分泌を抑えてしまうという点、3つには2007年10月に日本の理化研のグループが発見した、生体時計の働きを止めてしまうという点です(http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071022-OYT8T00051.htm)。
8.ついつい夜更かし朝寝坊が慢性化し,夜眠れないという悪循環になりますけれども,まずは早起きをしてこの悪循環を断ち切ることが大事だということになります。

 すべての生活習慣病、すべてのキレる子どもたちの問題を夜ふかしだけで説明しようと思えば説明できます。ただ私自身はすべての生活習慣病、すべてのキレる子の問題を夜更ふしだけで説明しようとは思っていません。環境ホルモンとか電磁波とか紫外線とか色々なものが複雑に絡んでいると思います。ただ最近の風潮で「生活習慣病だ。すぐに医者に行け。キレる子だ。ほら臨床心理士だ」ということはいかがなものかと思います。もっと基本的な生活習慣をきちんとすることで、まだまだ予防可能なことはたくさんあることを是非多くの方に知っていただきたいと思うのです。

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